【3冠馬の為のジャパンカップ】最高のレース・最高の結果
競馬ファンとしての幸せ
えー、3カ月半ぶりですか。
このブログの更新💧
いやー、実は8月から遅まきながらTwitterを始めまして…そうしたらそっちが面白くなっちゃって…手軽だし、反応早いし…ついつい、時間と手間が掛かって自己満足に過ぎないブログの更新を放置して夢中になってしまっておりました。
あとは、コロナ禍で職を失ってしまいやむなくせざるを得なかった就職活動が本格的に忙しくなり、無事某社に管理職採用をしてもらったは良いが非常に忙しい毎日の為ブログにまで手が回らないという実情もありました。
そんな僕が、また筆を執る気になったのはなぜか。
それは、第40回ジャパンカップのあまりに素晴らしい余韻を記録しておかなければという自身への使命感のようなものです!
今年は、競馬史上に燦然と輝く素晴らしい記録が複数生まれています。
正直、牡馬と牝馬の3冠馬が共に無敗で同年度に誕生する事など一生無いと思っていました。
3冠達成だけでも超高難度な上に、それを無敗で達成する。それがどんなに難しい事か、考えも及びません。
しかもコントレイルは、偉大なる父ディープインパクトに続いて父子での無敗3冠を達成。昨年亡くなった父に、これ以上無い贈り物を届ける事ができました。
父子での無敗3冠と言えば、古くからの競馬ファンであれば必ず話題に上るであろう例が1件だけあります。
そう。かのシンボリルドルフと、その息子トウカイテイオーです。
1984年に史上初の無敗の3冠を達成した皇帝シンボリルドルフは、種牡馬入り後に皇帝の息子にふさわしい正に「帝王」の風格を持った素晴らしい仔を送り出します。
それがトウカイテイオー。
長い前髪に、額から鼻先まで伸びる白く美しい流星。そしてあの物憂げな瞳。
馬なのに、彼を本気で好きになる女性ファンが多くいたのを覚えています。
テイオーになら、抱かれてもいい!みたいなね (^^;)
トウカイテイオーは、デビュー後連戦連勝の勢いのままクラシック戦線へ殴り込み、皐月賞・日本ダービーの2冠を無敗で制覇。その危なげないレース内容から、ルドルフに続く父子二代での無敗3冠達成はもはや決まった事のように騒がれていました。
しかし、栄光の日本ダービー制覇からわずか3日後。
『トウカイテイオー故障発生。左第3足根骨骨折、全治6か月。菊花賞出走不可能。』
という、これ以上ない悪夢のような発表がなされたのです。
あの時の脱力感・絶望感と言ったら、いまだに何と表現したらいいかわかりません。
そして、ダービーで完膚なきまでに叩きのめした2着馬レオダーバンが後にその菊花賞を勝った事で、トウカイテイオーが出走していれば3冠達成は確実であったという空気が蔓延したのでした。もちろん、前哨戦含めて無敗のままだったでしょう。
あぁ、テイオーの話になると止まらなくなってしまう (^^;) 失礼しました。
ともかく、そんな惜しい例はありましたが前人未到であった父子無敗3冠制覇という偉業をコントレイルはやってのけたのです。
それからデアリングタクトによる「牝馬3冠を無敗で達成」というのも史上初。
今は調教技術の進化もあってあまり聞きませんが、かつては牝馬は調整が難しく好調を維持する事が至難とよく言われたものです。もちろん、難しいのは今でも同じでしょう。
そんな中で、出走レースを極限まで絞って調子をピークに持ってこさせ続けた陣営の努力には頭が下がります。
そして、アーモンドアイ。
こちらも牝馬で、デビューからずっとレースを絞って最低限の負荷だけで素晴らしい結果につなげてきました。
その結果が、JRA史上初の芝GⅠ8勝達成という金字塔です。
かのディープインパクト、オルフェーヴル、ジェンティルドンナなどの3冠馬達でも破る事のできなかった「GⅠ7勝」の先の壁を打ち破り、先日の天皇賞・秋の勝利で見事8勝目を挙げたのでした。
しかし、牝馬3冠は別としてもその8勝の中には牝馬限定のGⅠ・ヴィクトリアマイルが含まれています。それを含めての8勝ってどうなのよ?という声もあるのは確かです。
そんな声を黙らせる為には、引退レースとなる今回のジャパンカップを勝って最強を証明してみせるしかない。
アーモンドアイには、そんな使命も掛かっていたのです。
ともあれ、そんな偉大過ぎる3頭の最初で最後の競演となった2020年のジャパンカップ。とどめとして、3冠馬が3頭もレースで揃う事も史上初。
たぶん、こんなレースを観る事ができるのは二度と無い。
いち競馬ファンとして、この時代に生きている幸せを噛み締めてTVの前に正座しました。
最高のレース・最高の結果
そして迎えたジャパンカップの中継。
いよいよ始まったパドックを凝視しましたが、アーモンドアイは普通。これでいい。
コントレイルは何だかイマイチ。元気が無い。(個人の感想です)
デアリングタクトは…凄くいい。
程よい気合乗り、引き締まった馬体。このデキなら勝ちまであると思える、素晴らしい仕上がりに見えました。
しかし今回、僕は馬券を買いませんでした。オッズが極端に低かったのもありますが、馬券的なドキドキに邪魔されずに純粋にレースを楽しみたかったんです。
そんな中ですが、僕が応援していたのはコントレイル。これまでの無敗の3冠馬2頭はいずれも3冠達成後の次戦で初黒星を喫しているので、その壁を打ち破ってほしいという思いがありました。
時は進み、ファンファーレが演奏されます。
さていよいよ枠入り、というところでウェイトゥパリスが入らない。だいぶ手間取ったが、各馬とも落ち着いて輪乗りをしながら待機していた。さすが歴戦の強者たち。
そして迎えたスタート。
ここが大事なアーモンドアイは、素晴らしいスタートを切りました。そのまま好位につけ、淡々とレースを進めます。
対するコントレイル、デアリングタクトもそれを見る形で追走。他馬も激しく順位を入れ替える事無く、隊列が決まってからは比較的落ち着いた流れとなりました。
そんな中、番狂わせを狙ってハイペースの大逃げを打った浜中騎手騎乗のキセキ。
これだけ強力なメンバーが揃っていれば誰かがやるかなとは思っていたが、お前だったか!面白い!
カツラギエースの再現かっ!
そんなスリルを楽しんでいる内に、キセキが4コーナーを通過。後続も次々と直線に入り、いよいよ最後の力比べが始まりました!
キセキのリードは十分あったが、完全に脚が上がって最早飲み込まれるのを待つのみ。
3強崩しを狙う実力馬グローリーヴェイズが内から伸びるが、それを制して堂々と先頭に躍り出たのは女王・アーモンドアイ!
食らいつくべく外から矢の如く伸びるコントレイル!
古馬の競り合いに割って入って進路をこじあけるド根性のデアリングタクト!
しかし!
その1馬身少し先で、史上最強の女王はキャリア最後のゴールに先頭で飛び込みました。
文句のつけようの無い完勝を演じてみせたアーモンドアイ。
さも当たり前であるかのように、馬上で投げキッスを決めるルメール騎手。
拍手万来です!
爽やかな感動と余韻に、僕はしばし動けませんでした。
観戦を終えて
しかし…恐れ入った。
無敗を誇る2頭の3冠馬を相手に、自身こそが最強である事を証明してみせたアーモンドアイ。
これでGⅠ9勝の新記録達成。内容的にも、もう文句を言う者はいないでしょう。
加えて、獲得賞金もキタサンブラックを抜いて史上一位に躍り出ました。わずか15戦のキャリアの中で、11勝・GⅠ9勝です。素晴らしいという以外にありません。
それだけに、4歳時の有馬記念の惨敗やとうとう安田記念を取れなかったのが残念でなりませんね…まぁ今年の安田記念で言えばこの舞台の化け物・グランアレグリアがいた以上は仕方が無いと思えますが。
そして女王にこそ屈したものの、その地力を十分に示してみせたコントレイルとデアリングタクト。
コントレイルは、決して良いデキではなかったかもしれない(あくまで個人的見解です)。しかし、出走してきた以上は陣営も渾身の仕上げをしたわけであり、彼も一敗地にこそ塗れたもののこの結果を責める者など誰一人としていないはずだ。現に上がりは最速を記録している。次走以降も、3冠馬として日本競馬を背負っていく存在となるであろう事に変わりは無い。
デアリングタクトも然り。初黒星となったが、同世代のコントレイルとの差はわずかにクビだけでタイム差は無し。最後の最後に、歴戦の古馬であるカレンブーケドールとグローリーヴェイズの鼻づらを抑えてみせたのだ。そして馬券圏内を死守してみせた。
これほど誇れる3着があるだろうか。
1着 アーモンドアイ
2着 コントレイル
3着 デアリングタクト
最高のレースで、最高の馬たちが、最高の結果を見せてくれた。
日本競馬史上、最上位に数えられるであろう素晴らしき熱戦。
馬券を買わなくて良かった。本当に純粋にレースを楽しむ事ができた。
素晴らしき優駿たちに感謝を表して…。
そして身の程をわきまえず出走してきた出オチ馬のヨシオ(69戦6勝)が秘かに大差のシンガリ負けを喫していた事に敬意を表して…。
いつの日か、アーモンドアイとコントレイルの仔が見られたら嬉しいな。
あ。ちなみに。
アーモンドアイとコントレイルは、実は2代目だって知ってました?
2代目の「GⅠ9勝」の真逆である、「9戦0勝」という戦績です (^^;)。
走ったのはダートのみで、1番人気にすらなった事がない💧
そして初代コントレイルは2010年生まれの牝馬で、こちらも振るわず「2戦0勝」。
それぞれの2代目は、名前の縁起の悪ささえ払拭してみせたのでした。
ありがとう!