【ディープインパクト】空へ帰った”平成の天馬”
走り良し、種も良し
まず、素晴らしい馬名ですよね。
文字通りインパクトがあるし、映画の題名でもあったからお馴染みのコトバでした。
そして、その名前に恥じる事の無いどころか史上最高のインパクトをファンの目に焼き付けました。
競争成績は言うまでもなく、また種牡馬としても超一級品の結果を残しています。
種牡馬成績を含めた総合的な評価をすれば、まさしく日本競馬史上最高位のチャンピオンホースと言って良いんじゃないかと僕は思うんです。
みなさんご存知の通り、彼は1カ月前の2019年7月30日に頸椎骨折を発症し安楽死の処分が下されました。
余りに早い、17歳で迎えた死。
僕は彼の事をこのブログに上げたいと思いつつ、心の整理がつかないでいました。
しかしあれから1カ月が経過したこのタイミングに合わせ、僕は彼への想いを綴る決意を固めたのです。
本当の”天馬”になってしまったディープインパクト。
僕なりの目線で、彼の足跡を追ってみたいと思います。
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馬が飛んだ!
彼を語る時、必ず話題に上がるのが2005年の若駒ステークスですね。
7頭立ての少頭数でしたが、道中は最後方をポツンと追走。
4コーナーでも6番手でしたが、大外を回って視界が開けると異次元の加速を開始!
一頭だけカタパルトに乗って射出されたかのような勢いで大外を駆け抜け、終わってみれば5馬身差の大楽勝劇を演じました。
それもそのはず、彼の上がりは33.6秒(上がりとは、最後の600mの走破タイムの事です)。
対して2着のケイアイヘネシーの上がりは36.6秒。なんと3秒もの差があります。
上がりタイム上の2番手はインプレッション(3着)でしたが、それでも35.0秒。1.4秒差ですね。
競馬において、これは決定的な差です。まぁ、後から考えれば当然の結果なんですが。
更に言えば、鞍上の武豊騎手はムチひとつ入れていません。つまり本気を出さずに流してもこれだけのパフォーマンスを発揮できたという事になります。
競馬界は、ザワつきました。確実に。
怪物現る、と。
初GⅠも通過点!
若駒Sでファンの度肝を抜いてみせたディープは、三冠レース第一弾の皐月賞に向けてステップレースの弥生賞に姿を現します。
慣れない上に直線の短いトリッキーな中山コースに苦戦した事もあり、彼の全勝利時の最小着差であるクビ差で何とかアドマイヤジャパンを下し皐月賞の優先出走権を手に入れました。
そして迎えた皐月賞。
1.3倍の圧倒的1番人気を背負い、レースは始まりました。
例によってスタートは良くなく、後方からレースを進めます。
向こう正面の3コーナー手前からマクリ気味に進出を開始し、大外をブン回して明らかに距離をロスしながらも直線を迎える時には進路はクリアに!
後は、ディープ劇場のクライマックスです。
武豊騎手の檄に応えて加速を始めたディープは一瞬の内に先頭集団を飲み込んで独走状態に入ります。
なんとこの時点では12番人気だったシックスセンスが2着に飛び込んできたその2馬身半前を悠々とゴールし、一冠めを手中に収めたのでした。
GⅠって、こんなに簡単に勝てるものだったっけ?
そう戦慄するほどの、着差以上の楽勝っぷりでした。
放たれた矢の如く
さて無敗の皐月賞馬となったディープインパクトは、もちろん東京の2,400mを目指す事となりました。
そう、日本ダービーですね。
何と単勝は1.1倍!一時は1.0倍という、ギャンブルにあってはならないオッズにすらなったんです。
もうこの辺に来ると、皆わかっています。
ディープインパクトは、無事に直線を迎えて進路がクリアでさえあればどこからでも必ず飛んできて先頭でゴールする馬なんだという事を。
であれば、この広くて直線も長い東京コースは彼の為にあるようなものです。
そして、本番もその通りとなりました。
道中は内めをリラックスしながら追走し、3~4コーナーではいつの間にか外に持ち出します。
例によって大外ブン回しで距離をロスしますが、そんな事は関係ありません。
直線を迎えて進路がクリアでさえあれば良いんです!
そしてここからは皐月賞に続いてディープ劇場の始まりです。
この日、僕は仕事中でした。
しかし仕事仲間の多くがダービー観戦の為に食堂に集まり、TVにかじりついていたんですね。
腕組みしながらレースを観ていて、ディープは無事に4コーナーを回って視界に誰もいない大外の位置取りで直線を迎えました。
それを観て、僕はつぶやきました。
『よし、勝った』
果たしてディープはスーッと静かに加速を開始。正に放たれた矢の如く、一直線にゴールに向かって飛んでいきます。
終わってみれば、2着のインティライミに5馬身もの差を付けて悠然とゴール。
これは本当にダービーなのか?と思ってしまうくらい実にあっけなく無敗の二冠馬となってみせたのです。
こんなに簡単にダービーを勝つ馬を見たのは、かのナリタブライアン以来でしたね。
「これは、間違いないだろう」
世の競馬ファンは、秋の三冠達成をもはや決まった事のように語り合ったものでした。
世界のホースマンよ!
ディープインパクトは夏を無事に越して菊花賞の前哨戦である神戸新聞杯に駒を進めます。
ここも楽勝でしたが、驚くべきはそのタイムです。
なんと、かの元祖”天馬”のトウショウボーイが持っていた1:58:9というレコードタイムを29年(!)ぶりに塗り替える1:58:4のレコードを叩き出したのです。
その時計自体よりも、この2005年という時代までトウショウボーイの走破タイムがレコードで残っていたという事実がスゴイと思いませんか!?
それと同時に、1976年という時代に2,000mを1:58:9というタイムで走ってみせたトウショウボーイも恐ろしい馬だったんだなぁと鳥肌が立つ思いでした。
そんな裏話をよそに、完璧な調整を施され菊花賞本番を迎えたディープインパクト。
初の3,000mという長距離にほんの少しだけ懸念がありましたが、菊花賞の単勝オッズはついに本当に1.0倍になってしまいました。単勝支持率は80%を超えています。
賭けて、当たっても増えないんですよ?1.0倍ですから。
それくらい、人気が集中してしまったんですね。
さて菊花賞がスタートを切ります。単勝1.0倍の馬は、珍しく好スタートを切りました。
いつもなら後方からの競馬になるところを中団に付ける事ができ、長丁場のレースを考えればスタミナの温存にもつながる絶好の位置取りです。
しかし!
長丁場だけに、いつもならスパートを掛ける3~4コーナーを1周目として通過しなければならないのですが、頭の良いディープインパクトは『ここを通るという事はそろそろ加速しなきゃ!』と判断して派手に掛かってしまったのです!
「掛かる」とは、馬が騎手の指示をよそに行きたがって(加速したがって)無駄にスタミナを消耗してしまう事を言います。騎手は行かせたくないから、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状況ですね。
武騎手は後日の回想で、「まだゴールじゃないよ、とずっと話し掛けてました」と語っています。
諭すだけでなく、最内に位置を取り他馬の後ろに付ける事で加速したがるディープをなだめて1コーナーを回る頃にはようやく落ち着かせる事ができました。
僕も観戦しながらホッとしたのを覚えています。
後は…そうです。
無事に4コーナーを回って視界がクリアでさえあれば良い!
向こう正面、3コーナー手前で中団に付けていたディープが進出を開始します。
最内でサボっていたディープを武騎手がいつの間にか大外に持ち出して、4コーナーを回りました。
はい!進路はクリアー!
そして始まるディープ劇場。
完璧なレース運びで「やべぇ、勝ったんじゃね!?」とほくそ笑んでいたアドマイヤジャパンと横山典弘騎手を後目に、そのはるか外を飛んで行ったディープインパクトはあれだけ前半に掛かって消耗していたにも関わらず33.3秒の上がりを記録して興奮のるつぼと化した京都競馬場のゴールを1着で駆け抜けたのでした。
ゴールの瞬間、関西テレビの馬場アナの残した名実況。
『世界のホースマンよ見てくれ!!これが日本近代競馬の結晶だ‼︎』
まさに、日本の宝となった瞬間でした。
例えばダービーは、例年ならインティライミが完勝したレースです。
そして菊花賞は、アドマイヤジャパンがこれまた完勝したはずのレースでした。
しかし、生まれた年が悪かった。
なんたって、馬の姿をした化け物が同世代に存在してしまったのですから。
かくしてディープインパクトは、かの皇帝シンボリルドルフ以来21年ぶりの無敗の三冠を達成。
世界にその強さをアピールしたのでした。
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一敗地に塗れる…!
正直、まず勝てると思ってました。
僕だけでなく、皆がそう思っていた事でしょう。
メンバーはさすがに揃っていました。
老いて精彩を欠いていたとはいえ、なんと4度目の有馬記念出走となるタップダンスシチー。これがラストダンスでした。
そして、ひとつ年上でこれまでGⅠではとにかく惜しいレースが続き無冠であったハーツクライ。
スターホースたちがゲートに集まり、有馬記念はスタートしました。
まずまずの発馬から最後方に下げ、機会を伺うディープ。1コーナー手前から徐々にポジションを上げていき、向こう正面では中団に押し上げます。
コースが中山ですから、王道のレース運びです。
そして3~4コーナーで先団に取り付き、直線は次元の違う脚で他馬を置いてけぼりにする。
はずでした。
迎えた直線、進路はクリア。
ディープ劇場の始まりを誰もが期待しましたが、いつものような伸びがありません!
代わりに、ディープ対策で前々に位置していたハーツクライが内からスルスルと先頭に立ち必死にゴールを目指します。
ディープは明らかにいつもの脚ではありません。それでも一歩一歩、少しずつハーツクライに肉薄します。
ですが…!
ルメール騎手に鬼のように追われたハーツクライが、ディープインパクトの1/2馬身前で先頭ゴールを決めたのです。
フジテレビの実況にて、三宅アナは絶叫しました。
2回言ってしまうほどの衝撃でしたね。そう、負ける事も衝撃だったんです。
やっぱり中山コースでは彼のパフォーマンスは100%は発揮できなかったように思います。しかし、それも含めて競馬です。
今観ても肩を落としてしまう、本当に残念なレースでした。
まぁそれよりハーツクライとルメール騎手を称えるべきでしょうね。
こうしてディープインパクトは3歳の年を終えます。
最後こそ敗れましたが、文句無しの年度代表馬として。
夢へ向けて
迎えた4歳の春、ディープインパクトは国内戦を選びます。
秋の凱旋門賞挑戦はもはや勝利まで決まったようにウワサされていましたが、僕としてはエルコンドルパサーのように春からヨーロッパへ拠点を構えて「ヨーロッパ競馬用の馬体」をしっかり作ってほしかったと今でも思っています。
ひとつやふたつ、負けたっていいんです。もう無敗ではないのですから。
それより向こうの競馬に慣れ、日本とは全く違う馬場をこなせるパワーとスタミナを宿してほしかったんですね。
秋の大目標、フランスGⅠ凱旋門賞に向けて。
でもですね、ディープが春を国内で走ってくれた事で良かった事もあるんです。
それは、天皇賞(春)で超絶パフォーマンスを見せてくれたという事です!!
復帰戦の阪神大賞典GⅡを遊びながら勝ったディープインパクトは、伝統のGⅠ・天皇賞(春)を迎えます。
このレースで彼は、あのミスターシービーが菊花賞で見せたのと同じ勝ち方を見せてくれました。
向こう正面、3コーナーへ向かう上り坂でスパートを掛けたんです。上り坂でですよ?加速を掛けるにリスクの大きいその場所でギアを上げたディープは、そのまま4コーナーへ向かう下り坂では早くも先頭集団を外からマクって先頭で直線を迎えます。
初めてのレース展開です。
大外ではなく、先頭で直線を向いたおかげで正面の進路はクリア!
いつもと違うのは、右にも左にも馬がいないという事だけでした。
さて早めの先頭から押し切りを図るディープインパクト。その外にスタミナ自慢のリンカーンが忍び寄ってきます。
リンカーンは良い脚です!さすがにディープも仕掛けが早かったか?やばいか?!
と、思ったその時。武豊騎手がディープに数発のムチを入れました。
「ほれ、来たぞ!本気出せ!」
てな感じで。
するとどうでしょう!
ディープはまだトップギアに入れてなかったんです。武騎手のムチに反応し、ついに彼は隠していた最後のギアに切り替えました!
瞬間、リンカーンとの距離は広がっていきました。2馬身、3馬身…そしてついに3馬身半の差をつけたところでディープインパクトは天皇賞馬の称号を得るゴールを駆け抜けたのです。
彼自身もそれまでのマヤノトップガンのレコードタイムを上回る時計で走破したのですが、更にその前をディープインパクトが何と世界レコードで走り切ってしまったのですから、鞍上の横山典弘騎手が「生まれた時代が悪かった」と言ったのも頷けます。
圧巻のパフォーマンス。
そして、オールドファンを泣かせるミスターシービーのパクリ(笑)。
良いものを見せてくれました。
このレースは必見です!スカッとしますよ!
フランスの壁
その後、春のグランプリ宝塚記念も当たり前のように制したディープは、なんと芝:長距離部門のランキングで世界1位を獲得します。
これは驚きました。なんせ、無敵を誇ると言っても所詮日本国内でしか走っていないのですから。
いかに彼のパフォーマンスが文字通りの「ディープ・インパクト」だったのかがわかると言うものですね。
さあ、そしてディープインパクトは世界1位の称号を引っ提げて8月に渡仏しました。
もちろん、日本のホースマンの悲願である凱旋門賞を勝利する為にです!
出走予定馬では、エルコンドルパサーのカタキだったモンジューの初年度産駒で前年の凱旋門賞の優勝馬であるハリケーンランと米ブリーダーズカップ・ターフ優勝馬であるシロッコと共にディープインパクトが古馬3強を形成する様相となっていました。
日本のファンによる単勝大量購入もあって、ディープインパクトは1番人気でレースを迎えました。これは武騎手にも相当なプレッシャーだったのではないでしょうか。
だって、世界最高峰レースで1番人気を背負うんですよ?
それが彼の手綱さばきに影響したとは全く思いませんが、僕ならきっと耐えられません。
日本時間深夜。
ついに、凱旋門賞のゲートが開きました。
僕は夜勤で仕事中でしたが、「これだけは譲れない」と意味のわからない言い訳を残し食堂のTVで観戦したんです。
ディープは前めの2・3番手あたりでレースを進めます。日本では未体験の位置取りですが、欧州競馬の遅いペースでかつ8頭立ての少頭数ですからこれは問題ありません。
道中もやや掛かる素振りはありましたが、基本的には落ち着いて走っていました。
長い上り坂から、下り坂へ。
偽りの直線・フォルスストレートを通過し、いよいよ最終コーナーを回ります。
前めにいた事もあり、進路はクリア!
後はいつもの様に飛んでいくだけのはずでした。
少し、武騎手の仕掛けが早かったようには思いました。
実況解説の岡部元騎手も、「まだまだ!」「まだ!」と声に出てしまっていましたね。
そしてその檄に反応し、加速を始めるディープ。
しかしさすがは凱旋門賞、他の馬を引き離す事はできません。
それでも直線半ば、一度は先頭に立ったんです。一度は!
ですが。
後方でディープをマークして力を温存していたレイルリンクとプライドが襲い掛かってきました。
それを跳ねのける力が、この日のディープには残っていなかったんです。
精一杯の抵抗も虚しく、ディープは3着でゴールインします。
ディープでもダメ?
その日の残りの仕事は、手につきませんでした。
あのディープインパクトが…よもや後ろから差されるなんて。
落胆。その一言です。
敗因
凱旋門賞の敗因については、様々な議論と分析がなされています。
僕も前述した通り、せめて現地の前哨戦をひとつでも使って欧州のレースを経験させておけば違ったんじゃないか?とか。
もう少し仕掛けを我慢できればしのぎ切れたんじゃないか?とか。
出遅れてでも最後方から他馬に邪魔されずいつものレースをしていれば勝てたんじゃないか?とか…。
あるいは、現地で相当に邪魔をされたり厩舎周りで騒がれたりとディープの精神面に大きなストレスが掛かっていたとも言われていますね。これが本当なら実に許せない話です。日本人なら、そんな事は絶対にしません。
挙句の果てに、現地の医者に打たれた注射が原因で後程禁止薬物が検出され、ディープインパクトは3着の結果すら剥奪されて失格となってしまいました。
フランス嫌いです。
ディープインパクトには、何の罪もありません。
最後の飛翔
失意の内に帰国したディープインパクトですが、陣営は前を向きます。
前年は回避したジャパンカップでの国内復帰が明言されたのです。
そのジャパンカップは外国からの招待馬も日本馬も出走が少なく、11頭立てのレースとなりましたが、ディープインパクトは遠征の疲れもみせず圧勝してみせます。
あぁ、やっぱりディープは強い。強いんだ!
僕は安心し、留飲を下げる事ができました。
この頃にはもうディープインパクトはこの年一杯で現役を引退し、種牡馬となる事が明らかになっていました。
大事な体ではありますが、彼は最後の舞台に姿を現します。
そう、前年無敗を止められた有馬記念です。
単勝1.2倍の圧倒的な支持を受け、ディープは師走の中山へ駆け出しました。
このレースはもう、最後の直線を涙しながら観るだけです。
フジの三宅アナの、名台詞に次ぐ名台詞の嵐。
”最後の翼”を広げたディープインパクトは、武騎手が気合程度に入れたムチに鋭く反応し直線の坂を一気に加速。ポップロック以下を引き離します。
間違い無く勝った。
武騎手はそう判断したのでしょう。ゴール手前で手綱を緩めて流しに入ります。
何と言っても、51億円ものシンジケートが組まれ種牡馬入りが決定している大切な馬です。
最後に派手に着差を広げて盛大に引退しようなんて考えは、武騎手には一切無かったんですね。
「馬が走るのを嫌がった」
という理由でウイニングランをせず、静かに帰っていったのも馬を第一に考えた配慮でしょう。
最後の翼を折りたたみ、競走馬としての仕事を終えたディープインパクト。
有馬記念って、こんなに簡単に勝てるレースじゃないはずだけど…。
産駒の飛翔
種牡馬入り。
ごくごく一部の、優れたサラブレッドにしか与えられない余生です。
種牡馬入りできたとしても、花を咲かせて未来まで血を残すことができる馬は更にごく僅かしかいません。
しかしディープは、ここでも規格外の活躍を見せます。
産駒は初年度からGⅠを勝ち、その後も続々と活躍馬を輩出。
牝馬三冠達成、更に後輩三冠馬のオルフェーヴルをジャパンカップで真っ向勝負で破ってみせたジェンティルドンナなど、産駒の強さも半端じゃありません。
勝利こそなりませんでしたが、産駒の日本ダービー馬キズナは親子での凱旋門賞挑戦まで果たしてくれました(4着)。
さて、彼が逝ってしまって1カ月。
まだ数年は産駒の活躍を見る事ができるでしょう。
しかしその後は、更にその子供たち。すなわちディープの孫たちの活躍に、彼の血が後世に残っていくかどうかが託されます。
ひとつ上の先輩であり同オーナーの持ち馬だったキングカメハメハも、彼の後を追うように亡くなってしまいました。
しかし、キンカメはロードカナロアという素晴らしい後継種牡馬を残す事ができましたね。
願わくば、残されたディープの子供から父同様の無敗の三冠馬の出現を期待したい。
更に、父を超える『凱旋門賞制覇』を成し遂げてもらいたい。
君ならできる、ディープインパクト。
心から、ご冥福をお祈りいたします。
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